はとバスの中型バス①


 はとバスは昔から少人数用のバスとして小さな大型バスやマイクロバスを導入していましたが、1977年には「中型バス」にセグメントされる観光バスを初めて導入しました。はとバスが初めて採用した中型バスは日野RL300でしたが、1枚のスイングドアや側面のカーブが付いた大きな連続風固定窓など大型バスに匹敵する豪華仕様が特徴でした。ボディカラーは同年登場したニューデラックスバス同様赤いストライプの入った新しいデザインでした。当時は自家用やレンタカーの白ナンバー車両による観光バスの営業行為が社会問題になりつつありましたが、要因の一つは営業ナンバーの中型観光バスの車両数が全体的に不足していたことも否めません。そこで、バス協会が中心となり、各社で一定数の中型バスを所有することとなりました。はとバスでは1977年の2台を皮切りに、1979年(2台)と1980年(1台)にも同サイズの中型バスを採用しましたが、自家用バスとの差別化を図るべくデラックス仕様な車両を積極的に導入しました。また、1980年には新しいサイズの中型バスも導入されています。日野RLは全長・全幅・全高が8.14mx2.24mx3.04m(1977年式のみ3.05m)の純粋な中型バスであったのに対し、スペックが8.99mx2.49mx3.25mという独特な「大型幅の短いバス」であった三菱K-MM516Hが2台導入されました。メーカーはこのバスを大型バスとして位置付けていたものの、ユーザーが中型バスとして採用する例が多く見受けられました。大きさの違いのみならず、日野RLのリーフサスペンションに対し、三菱MMはエアサスペンションでしたので、乗り心地も大きく向上しました。はとバスの三菱MMは車両のサイズを生かして回転席を採用し、セミサロンバスとしても運行が出来ました。はとバスは三菱MMを翌年の1981年にも2台増備しましたが、こちらはスケルトンタイプの車体にモデルチェンジしたした最新鋭のバスでした。1977年の初導入からわずか5年で、はとバスの中型バスは10台となり、小口需要に充分対応できる体制が確立されました。


写真① 1977年に初導入された中型バス。大型バスに匹敵する豪華仕様が特徴でした。


写真② 荷物の出し入れを考慮して、一番後ろの窓は開閉タイプとなりました。当時の中型バスにはトランクがなく、荷物を後部に積むケースも少なくありませんでした。


写真③ はとバス初の大型幅の短いバス。それまでの中型バスよりサイズが大きくなり、エアサスペンションと相まって、ワンランク上の中型バスとなりました。


写真④ 初導入からわずか5年ではとバスの中型バスは10台体制となりました。当時は珍しいスケルトンタイプのボディが注目を集めました。

はとバスエージェンシー's Ownd

はとバスエージェンシー 公認サイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000