黄色くないはとバス
今回は、1台1台が異なるカラーで登場したユニークなはとバスをご紹介します。
はとバスの新しい形態の観光バス「ぐるり東京号」専用の車両が導入されたのは1998年でした。「ぐるり東京号」は従来の定期観光バスとは異なり、自由度を増した乗り降りが自由な循環型観光バスとして登場しました。この循環バスはワンマン運行が基本で、バスガイドによるご案内の代わりにGPSを活用したガイドシステムを搭載し、1日有効なプリペードカードを通すカードリーダーも備えていました。車内は二人掛けシートが8列並び、乗客定員は40人でした。
車種は「豪華さ」よりも「気楽さ」を優先したコンセプトの為、中型バスがチョイスされました。この車種選択だけでも異例でしたが、更に通常の定期観光バスとの差別化を図るため専用車両5台がそれぞれ異なったデザイン並びにカラーを採用し、車体が小さいにもかかわらず、大変目立つ存在となりました。
はとバスの主たる事業である都内遊覧の新しい形の提案として注目を集めましたが、残念ながら運行期間はあまり長くありませんでした。従って、これら車両は比較的早く引退をしてしまい、最近では存在すら忘れられがちですが、間違いなくはとバスの車両史上でも特筆に値する車両たちでした。
ちなみに、車両を選ぶ際には登場間もない国産ノンステップバスも検討されましたが、定員が少ないので断念したとの記録もあり、循環バスを運行するに当たり既成概念に全くとらわれていなかったことが伺えます。
写真① 運行開始前に5台が勢ぞろいたした珍しいショット。車種はいずれもいすゞKC-LR233J。
写真② 水色の「811」は他の車両よりも約1か月早く納車されました。
写真③~⑥ 1台1台、デザインもカラーも異なっていました。同時期には一般車としてガーラIとガーラIIIも導入され、はとバスの導入車両が前年からガラッと変わりました。
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