はとバス珍車シリーズ⑤三菱ふそうエアロエースMM

 今回ご紹介するのは2013年に登場したはとバス最後(今のところ)の貸切観光用中型バス、三菱ふそうエアロエースMMです。この車両は1台のみの導入で、1996年に導入された3台の日野セレガFC以来17年振りの貸切観光用中型バスでした。また、三菱ふそうの貸切観光用中型バスの導入は1981年以来で、実に32年振りとなりました。以前にもご紹介しましたが、基本的にはとバスは最低でも2台の「対」で車両を導入することが多く、1台のみの導入は珍しいことです。一時期は13台保有しいていた貸切観光用中型バスは、このバスが導入された2013年にはこのバス1台のみで、2018年に廃車されるまで用途を問わずはとバス唯一の中型バスとして活躍しました。後部座席2列が回転する正席のみの27人乗りセミサロン仕様で、外観も側面の「HATO BUS」の英文字が控えめな洒落たデザインでした。ジェイ・バスが多いはとバスの中で、三菱ふそう製のこのバスはサイズこそ中型でしたが、大変目立つ存在でもありました。はとバスが1980年以降導入した貸切観光用中型バスはメーカーが「大型ショート」と分類するモデルで、このクラスの特徴はメーカーを問わず、大型観光バスと共通した外観デザインを採用していることです。従って、大型観光バスと中型観光バスとでイメージの統一が可能ですが、大型観光バスと中型観光バスが一緒に運行される機会が少ない為か、はとバスはあえて大型と中型とで異なるメーカーのモデルを採用しているのが興味深いところです。現在、はとバスの車両は大型観光バスのみとなってしまいましたが、今後また中型観光バスが導入される日が来るのか、気になるところです。

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