40年前のはとバスの貸切観光バス

 今年は、1983年にはとバスが定期観光コースにダブルデッカーを投入してから40年になる旨は以前ご紹介しましたが、今回は同年10月に発行された「はとバス団体貸切バスのご案内」を通して当時のはとバスの貸切観光バスについて簡単にご紹介します。

何と言っても、1983年のはとバス貸切観光バスの最大の話題は、西ドイツ(当時)から輸入されたケスボーラー・ゼトラのUFC式スーパーハイデッカーの登場です。当時はダブルデッカー・ブームの真只中でしたので、まだスーパーハイデッカーは全国的にも珍しい存在でした。運転席が客室の下に位置していたUFC式は車両前部が2階構造になっていたので、「2階だけバス」として注目を集めましたが、はとバスのパンフレットでも「特殊2階バス スーパーデッカー」と紹介されています。

その他に、1981年に登場した豪華バス「ニューパノラマ」や同じく1981年に登場した新しい主力車種「ニューデッカー」と並んで、まだ平屋根の「デラックス」も掲載されています。当時は観光バス車両の過度期でもあり、大型車だけでも特殊車両2車種、一般車両3車種(デラックスは全長11mクラスと12mクラスを同型としてカウント)とバライエティに富んでいました。更に、中型バスも3車種あったので、「スーパーデッカー」から中型車まで実に8車種を揃えていたことになります。

当時の貸切観光バスの保有台数をみても、大型一般車両の2割弱がまだ「デラックス」タイプですが、1985年にはつくば博に備えて「ニューデッカー」が大量に導入され、その結果「ニューデッカー」の台数が一般車両の過半数を占め、「デラックス」は定期観光用に残るのみとなってしまいました。

この40年で、観光バス車両は全体的にレベルアップし、車体デザインのみならず環境面や安全性でも大いに進化しましたが、昔ほどのバライエティをみることが出来ないことを少し寂しく思ってしまうのは自分だけでしょうか。

写真解説

写真①

表紙には、日光で撮影されたスーパーデッカーの写真が使用されていました。

写真②

パンフレットの裏表紙。「デラックス」や「中型車」など車種の多さが目につきます。

車種③~⑥

車種毎の詳細が掲載されています。1984年にはダブルデッカー並びにスーパーデッカーの増備が予告されているのも興味深いです。(写真⑤)尚、パンフレットへの車種の掲載順位や大きさなど色々な考え方がありますが、このパンフレットではインパクトのある特殊車両を前面に出した構成となっています。

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