車両の後面


 一般的に「バス」というと、大体の人はバスの前面あるいは斜め前からのイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。バスに興味のない友人が旅先で写真を撮って来てくれると、やはり同様に真正面や斜め前、前だけの場合が多いと感じます。

バスに限らず乗り物は前面のデザインが印象に残りやすい傾向にあり、重要です。事実、一昔前の観光バスは前面のデザインこそ観光用と路線用で異なっていたものの、後部デザインは共通であったりしました。

バスの様に生産台数が限られている場合は、部品の共通化の観点からなるべく似たような(同じ)デザインを採用するのもセオリーかもしれません。しかし、バスは高速道路網の発達とともに、観光型バスと市街地用バスの用途が明らかに異なってきました。

多くの場合、1980年代前半までは豪華な観光バスも後部デザインは路線バスと似たようなデザインでした。しかし、1990年代に入ると観光バスと路線バスの後部デザインは異なる傾向が強くなりました。

バス車両も前から後まで全体のデザインが洗練されました。特に観光バスはバスのお見送りや高速道路での追随など意外と後面が注目される機会も多く、ようやく前面のスタイル同様、後部デザインの重要性が認識されるようになったように思われます。

写真解説

写真①

富士重工のセミデッカー。路線バスと共通デザインですが、背が高いので観光バスの風格を感じます。(王子運送)

写真②

三菱ふそうのスケルトンタイプ、フルデッカーII。初期の車両は従来と同じ後面デザインでしたが、後期の車両は前面に合わせてボクシーになっています。(東洋観光)

写真③

路線バスと共通のイメージですが、独特なスタイルの日野スケルトン。角張ったデザインは大変印象的でした。(和歌山南海観光バス)

写真④

三菱ふそうのスーパーハイデッカー、エアロクィーンK。この車両は後面ガラスを小型化し、ダブルデッカーを彷彿させるデザインとなっています。(静岡鉄道)

写真⑤

大変お洒落な印象の富士重工最後のスーパーハイデッカー。(富士急山梨バス)

写真⑥

丸みを帯びた後面ガラス(?)を採用した三菱ふそうエアロエースはテールランプの配置と共に「新世代到来」を印象付けました。(北恵那交通)

写真⑦、⑧

日本でも良く目にすることが出来たネオプランの例です。日本独特な後面のダブルデッカー(写真⑦=常磐交通自動車)といかにもヨーロッパらしい後面のスーパーハイデッカー。(写真⑧=宮城野観光バス)

写真⑨

ジェイ・バスと韓国の大宇の並び。見落としがちですが、後面デザインもメーカーによって個性があり、大変興味深いです。(左のジェイ・バス=西武観光バス、右の大宇はハイウェイ企画)

写真⓾

3世代のはとバスの並び。現行のジェイ・バスを中央に、左に1992年から導入開始された富士重工SII型と右には1997年から導入開始されたガーラIII。時代の移り変わりが良く分かります。

※事業者名は撮影当時


2020年11月から掲載を開始致しました、バスの事 ブログは今回の記事を以って一時休止と

させて頂きます。長らくに渡り誠にありがとうございました。

また、機会があれば是非再開をと思っております。


ありがとうございました。

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