新年の一般参賀と車輛 <1983年正月:皇居>

 2021年の今年は残念ながら新年の一般参賀は中止となってしまいましたが、例年は今も昔も皇居には全国から観光バスが集まります。1983年も例外ではありませんでした。この年も、全国から集まる観光バスの写真を撮影するために、数多くのバス好きの方々が皇居に集まっていました。次から次からと、観光バスが駐車場に入場してきますが、お目当てのバスはなかなか登場しません。何がお目当てであったかと言うと、前年の12月に発表された三菱ふそうのエアロバスです。雑誌に掲載された広告の写真を見る限り、それまでの国産観光バスとは大分印象が違う、斬新なデザインでした。前輪の独立懸架サスペンションなど、最新技術を採り入れた話題の車両であり、正式発表前に観光地の駐車場でサンプルカー(?)の目撃情報と相まって、否応なしに期待が高まっていました。しかし、登場間もない新車を導入しているバス事業者はまだ数社に留まり、どこに出没するかわからない観光バス、皇居に必ず来るという保証など、全くありませんでした。只々、祈るような期待感のみでした。駐車場もほぼ満車になり、今日は来ないのかとあきらめかけた時に、駐車場入り口に赤と白の名古屋観光自動車(当時)のエアロバスが4台口で登場しました。初めてエアロバスを生で見た時の興奮は今でも忘れません。あたかも、役者が出揃ったところに満を持して登場する主役のようで、他の車両とは明らかに違うオーラを感じました。この時はまだこのエアロバスが一世を風靡する車両になることを知る由はありませんでしたが、当日受けた衝撃を考えれば、当然の結果であったと納得できます。

 


写真① 三菱ふそうのエアロバス。1983年の一般参賀に名古屋観光自動車のエアロバスが登場した時にはド肝を抜かれました。撮影は一般参賀ではありませんが、一般参賀に登場した車両と同じタイプです。 

~次回「ロケットバス」予定~

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