ハイデッカーのバリエーション
以前、ハイデッカーとスーパーハイデッカーについて書きましたが、実は1980年代まではハイデッカーにもいろいろな種類がありました。かつては、屋根が途中から高くなっているセミデッカー、車両前部に大きなパノラミックな窓を備えたパノラマデッカー、一番前から高くなっているフルデッカーなど、様々なバリエーションがありました。高速道路が発達し、路線バスと観光バスとが差別化され、より展望が良く、高級感のあるバスを追求した結果であったと思われます。当時はハイデッカーという表現はあまり使用されず、屋根の形状に応じて○○デッカーと呼ばれることが多かったと記憶しています。ご存知の通り、車両の高さを追求した結果、究極のダブルデッカーやスーパーハイデッカーが登場します。ちなみに○○デッカーは一時観光バスの花形で一世を風靡しましたが、従来のモノコックタイプからスケルトンタイプにボディが変わるにつれて、床がやや低いスタンダードデッカー・ミドルデッカー・スーパーミドルデッカーと、フルデッカーのみとなり、屋根のバリエーションはなくなってしまいました。従って、かつてはスケルトンタイプのフルデッカーと呼ばれていたタイプが、現在のハイデッカーになったと言えます。
写真① 標準床のスタンダード車 (東洋バス、千葉県)
写真② 標準床にパノラミックウィンドウを備える車輛もありました (名古屋観光自動車、愛知県)
写真③ 屋根が途中から高くなっているセミデッカー (京浜急行電鉄、東京都)
写真④ パノラミックウィンドウを備えるパノラマデッカー (岐阜乗合自動車、岐阜県)
写真⑤ 車両前部から高いフルデッカー。当時のフルデッカーの前面ウィンドシールドはほとんど2 枚分割で、横に分割されるタイプと縦に分割されるタイプがありました (北陸交通、石川県)
写真⑥ はとバスの車両は縦に2枚分割されていました (はとバス 東京都)
写真⑦ スケルトンタイプのフルデッカー (静岡鉄道、静岡県)
~次回「窓が小さいバス」予定~
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