はとバスの珍車シリーズ④ ガーラIII


 以前、このシリーズの③としてガーラIを取り上げましたが、今回はガーラIIIをご紹介します。ガーラIIIと言えば、1990年代後半から2000年代前半にかけて70台以上が導入されたはとバスを代表する車種です。なかには、豪華バスとして有名なピアニシモやフォルテシモも含まれていますが、今回ははとバスに初めて導入されたガーラIIIについて簡単に記します。

はとバスは永年、純正ボディを架装したいすゞ製観光バスを導入していました。しかし、1985年に富士重工製ボディを架装したスケルトンタイプのハイデッカー(社内呼称はニューデッカー)を導入以来、富士重工/いすゞの組み合わせのバスの導入が続きました。いすゞのスーパーハイデッカーが登場し、はとバスの新しい「スタンダードバス」がスーパーハイデッカーになっても、富士重工製ボディが継続的に採用されました。更に、1996年にいすゞがガーラを登場させても、1997年の一般車は富士重工製ボディの在来車種が入りました。しかし、並行して今回ご紹介するガーラIIIが1984年以来、13年振りのいすゞ純正ボディの観光バスとして2台が導入されました。

初のガーラIIIとして1997年に導入された2台は定期観光専用車で、翌1998年から一般車として導入されたガーラIIIとは全く異なる仕様でした。初導入されたガーラIIIは用途が特化していたため、眺望重視でテレビと補助席を無くすと同時に、国際化に備えて4か国語ガイドシステムを採用していました。

この車両は主に都内での走行が中心になるので、アイドリングストップ・アンド・スタートシステムを採用していました。今でこそ路線バスでは当たり前の機能ですが、当時はまだ路線バスで採用され始めた時期であり、観光バスではほとんど見かけることはありませんでした。信号待ちの際の車内の静けさは特記に値しましたが、慣れるまでは多少違和感があったのも事実です。翌年以降のKC-のガーラIIIは420馬力のV12エンジンを搭載していましたが、1997年式の2台のみ従来のスーパーハイデッカーと同じ380馬力のV10エンジンを搭載していました。実はこのV10エンジンを搭載したKC-LV781R1のガーラIII自体、かなりの珍車ではないでしょうか。

写真① 久しぶりに登場した純正ボディを架装したいすゞ製観光バス、「ガーラIII」。今見ても、当時はやっていた低運転台を採用したスタイルは豪華に見えます。

写真② 「国際都市・東京」に相応しい4か国語ガイドシスムを採用していました。

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