はとバスにスーパーハイデッカー時代到来①

 1987年夏、はとバスに将来の観光バス車両について検討をする社内委員会が設置されました。観光バスに携わる営業、運輸、整備の各部署の代表者によって構成されたこの委員会の目的は貸切観光用・定期観光用特殊車両、並びに将来を見据えた一般車両について検討することでした。

貸切観光用特殊車両は1981年に導入したニューパノラマ4台、1983年から1984年にかけて導入したスーパーデッカー(UFC式スーパーハイデッカー)3台、1984年に導入したトイレ付ダブルデッカーをラインアップしていましたが、看板車両としてはやや競争力が低下しつつあったニューパノラマの代替車両を期待する声が強まっていました。

定期観光用特殊車両は1987年に新型車両ヨーロコメットを2台導入したばかりで、ダブルデッカーに続く人気車両となっていました。しかし、2台しかないため、お客さまのご要望に応えるための増発便の設定は困難を極めていたので、増車の必要性がクローズアップされていました。

一般車両はつくば博‘85に備えて1985年に車両を大量導入した影響もあり、ほぼ全車がハイデッカーとなり、半数以上がスケルトンタイプとなっていました。また、他のバス事業者では特別車としての国産スーパーハイデッカー車両が導入されるようになり、少しずつその数は増えていました。

この様な状況を背景に、この委員会では各メーカーのヒアリングを実施し、併せて各種資料を収集(作成)して検討を重ねました。その結果、次の通り答申しました。

1. 貸切観光用の特殊車両

貸切観光バスの新看板車両の必要性を訴え、以前ご紹介したボルボ・アステローペの導入を提案しました。翌1988年に他社にはない仕様として、後部を吹き抜け構造にしたアステローペが2台導入されました。

2. 定期観光用の特殊車両

ヨーロコメットの人気の高さは認めたものの、ダブルデッカーの保有台数並びに人気の高さ、全体のコース設定本数などを勘案し、これ以上定期観光用特殊車両の比率をあげる必要性は低く、今回は増車を見送るとの結論に達しました。

3. 今後の一般車両

一般車両の半分以上がスケルトンタイプで他のバス事業者と比べても遜色はないものの、はとバスの優位性を保つために更に上のグレードの車両、スーパーハイデッカーの本格導入を提言しました。それまで特殊車両として導入していた各社とは異なり、あくまでも一般仕様で導入をし、新しいスタンダード車両の必要性を訴えました。その結果、翌1988年に導入された一般車両は全て国産スーパーハイデッカーとなり、それ以降も一部を除いて、継続的にスーパーハイデッカーが導入されています。1988年から導入されたはとバスの国産スーパーハイデッカーの詳細については、また改めてご紹介します。

↑写真①<ニューパノラマ>

委員会では代替時期が近づいていたニューパノラマ(写真①)に変わる貸切観光用特殊車両としてアステローペ(写真②)の導入を提案しました。

↑写真②<アステローペ>


↑写真③<ヨーロコメット>

最新鋭の定期観光用特殊車両ヨーロコメット(写真③)の増備は、残念ながら見送られてしましました。

↑写真④<スケルトンタイプ>

スケルトンタイプ(写真④)が一般車両の主流となり、その後継車両として国産スーパーハイデッカー(写真⑤)の導入が提言されました


↑写真⑤<国産スーパーハイデッカー>

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